s88-N Train Detector (16区間用)

 s88-N Train Detector(16区間用)は、自動運転や信号機制御のために、列車位置を検出するための装置です。
レールにギャップを設置し区間ごとの電流を検知して在線情報をS88-Nに出力します。
 面実装部品を使用せず、簡単に製作できるようにリード部品で構成されているので、DCC自作入門にもおすすめです。
回路の省略で部品点数の削減し、16区間用をコンパクトサイズで製作してみました。
配線も密集しているので専用のプリント基板を発注して製作してみました。
 皆さんの自作を助けるための部品やプリント基板の頒布も行っています。
楽しみながら自作し、欧州での市販品に比較し安価製作できることも目指しました。

 (COM端子、検知区間1~12用端子)  (s88-Nコネクタ、検知区間13~16用端子)
     
 (内部基板)   
 

トピックス

 2016.06.09 頒布サイトでの頒布を開始しました。(正式公開)
 2016.05.16 暫定公開開始(準備が整いましたら正式公開、頒布を開始いたします。しばらくお待ちください。)

特徴

使用方法

 列車の位置を検出するための装置です。自動運転や信号機の制御には、ソフトを用いて連携させます。

 配線例を以下に示します。

 
 注意点
動作確認

 動作確認は、DesktopStationでの動作例で確認方法を示します。

 まず、S88を使用できるようにします。
 「トンカチ」マークのプロパティ画面を開きオプションを設定します。
 S88関連は左下にあります。2機以上S88デコーダを接続した場合は必ず、接続数を設定変更します。

 
 
 次に、「EV」と書かれたボタンをクリックし、イベントスクリプト画面を開き、「センサ状態」タブをクリックしますと、S88で受信したセンサ状態を表示します。
列車の位置に応じて、ランプが変化すればOKです。

 

s88-N Train Detector (16区間用)の製作方法

 s88-N Train Detector の製作方法について説明します。

回路図

   回路図(pdf)はこちら (2016.5.15更新)

 回路図です。EAGLEで作成しました。

部品リスト

 秋月電子で入手可能なパーツだけで製作しようと考えましたが、残念ながら一部部品は別のお店で購入する必要があります。
 部品やプリント基板は、当サイトの頒布のページでも入手可能です。また、リスト以外に「ハンダこて等の工具」等の用意が必要です。

 s88-N Train Detecto 16区間 在線検知装置 部品表  (2016.5.16更新)

部品 部品番号 部品・規格 仕様 個数 備考 主な入手先
抵抗 R1,R3,R5,R7,
R9,R11,R13,R15,
R17,R19,R21,R23,
R25,R27,R29,R31
炭素皮膜抵抗(1/4W) 22Ω 16 赤赤黒金 秋月
R33 炭素皮膜抵抗(1/4W) 1kΩ 1 茶黒赤金 秋月
R2,R4,R6,R8,
R10,R12,R14,R16,
R18,R20,R22,R24,
R26,R28,R30,R32,
R34
炭素皮膜抵抗(1/4W) 10kΩ 17 茶黒橙金 秋月
RN1,RN2 集合抵抗 8素子9ピン 100kΩ 2 SIP 秋月
コンデンサ C1~C18 積層セラミックコンデンサー 0.1uF 18   秋月
C19 電解コンデンサ 100uF/16V 1   秋月
IC IC1,IC2 C-MOSロジック 4014 2   頒布
共立電子
ICソケット   ICソケット 16P 300mil 2 平ピンでも可 秋月
ブリッジダイオード D1~D16 KBJ410 1000V 4A 16   秋月
LED LED1 LED 3mm緑 1   秋月
フォトカプラ PC1~PC16 フォトカプラ FOD814A300W 16 4回路入りの
PS2505-4も
秋月
コネクタ IN,OUT 基板取付用LANコネクタ
(モジュラージャック)
RJ-45 2   秋月
X1 ターミナルブロック 3ピン(青)(縦)小 1   秋月
X2~X8 ターミナルブロック 2ピン(青)(縦)小 7   秋月
基板 PCB 専用プリント基板   1   頒布
ケース CASE 専用ケース   1   頒布

 入手先のお店の情報はリンクのページからたどって見てください。

部品の概要

 s88-N Train Detector で使用する部品を紹介します。
炭素皮膜抵抗器 1/4W (R1~R34)
 

 誤差5%の炭素皮膜抵抗器の1/4Wタイプです。
 1本5~10円程度なのですが、100本で100~200円で入手できるので、袋でまとめ買いしています。
 抵抗値は部品に書いてあるカラーコードで判別できますが、テスターでの確認が失敗しないためにも良いです。
 使うまで袋から出さないのが賢明です。部品の向きはありません。
集合抵抗 8素子9ピン (SIP)
 

 8個の抵抗が1つに集約されている集合抵抗です。
 秋月で入手できないのですが、共立電子や千石電商で入手可能です。
 部品の向きがあります。マークがあるのが1ピンです。注意して半田付けします。
積層セラミックコンデンサ(C1~C18)、電解コンデンサ(C19)
 

 積層セラミックコンデンサ0.1μFは部品に「104」と表記されています。リード線の加工形状が2.5mmのものが小型製作に向いています。
 電解コンデンサを用います。100μF/16V品を使用しました。電解コンデンサは+-極性があります注意しましょう。
 足が長いほうが+(プラス)、短いほうが-(マイナス)です。

C-MOSロジックIC(シフトレジスタ) 4014
 

 C-MOSロジックICの4000シリーズなかから、シフトレジスターである4014を使用します。
 静電気に弱いので、取扱に注意します。
 
昔は、秋葉原で難なく入手できたのですが、現在では入手できる店が限られるので、よければ頒布も活用ください。
 部品の向きがあります。1番ピン側に凹みがあります。注意しましょう。
 
ICソケット:16ピン(平ピン)
 

 ロジックIC用のICソケットです。S88-Nの不具合でICが故障した際に、交換を容易にします。
 写真は高価な丸ピンタイプですが、抜き差しをほとんどしないので、平ピンタイプで十分でしょう。
 1番ピン側に凹みがあります。注意しましょう。 部品の向きがあります。注意しましょう。
ブリッジダイオード: KBJ410
 

 ブリッジダイオードのKBJ410です。外観と回路図記号の対象は写真のとおりです。
 部品の向きがあります。注意しましょう。
 最大定格4Aなので、2A程度の通電容量とお考えください。
LED(直径3mm)
 

 直径3mmのLEDです。 部品の向きがあります。注意しましょう。
 自分の好きなLEDを使って貰ってOKなのですが、実装スペースの関係で直径5mmは厳しいと思います。
フォトカプラ FOD814A300W
 

 GaAs赤外LEDとシリコンフォトトランジスタを組み合わせた光結合素子です。
入力側赤外線発光ダイオードが逆並列接続されているため、DCC信号の入力に適しています。
(頒布当初はPS2505-1を使用していましたが、入手難のため、上記に変更しました。)
(頒布基板では、4回路入りのPS2505-4も使用できるように配慮しています。)
 部品の向きがあります。注意しましょう。

基板取付用LANコネクタ(モジュラージャック)RJ-45
 

 10base-T/100Bbase-T用イーサネット モジュラー ジャックです。
 S88NはLANと同じコネクタを使用しています。
 部品の向きがありますが間違えることはないでしょう。
 LAN機器(HUB等)には絶対に接続しないでください。
ターミナルブロック 3ピン/2ピン(青)小
 

 電線の差し込み口を基板の外側に向けて取り付けます。
 必ず、先に横どおしを先に連結させたうえではんだ付けします。
専用プリント基板 (92X87mm)
 

 部品点数も多く、配線も複雑なので、専用のプリント基板を作成しました。この専用プリント基板は、頒布のページで皆さんに頒布しています。
専用ケース (AK-P-01)
 

 専用のケースを中国に発注しています。頒布のページで皆さんに頒布しています。

製作手順

 基本的に背の低い部品、熱に強い部品から取りつけます。
  1. プリント基板

  2. 炭素皮膜抵抗(1/4W) R1~R34とRN1,RN2を取りつけます。
    カラーコードに頼らずテスターで確認しながらの組立が結果的に早道です。
    ※ブリッジ抵抗の下の抵抗はこの時点ではんだ付けしないと後付けは困難です。

  3. ICソケットを取りつけます。
    ICソケットは部品に向きがあります。凹み側をシルク印刷の凹みに合わせます。

  4. コンデンサ(C1~C18,C19)を取りつけます。
    電解コンデンサには向きがあります。


  5. フォトカプラ、LEDを取りつけます。
    フォトカプラには向きがあります注意してください。

    LEDはA(足が長い)とK(足が短い)に注意して取りつけます。

  6. ターミナルブロックを取り付けます。
    3ピン1個と2ピン5個を連結し13ピンにしたものと、2ピン2個を連結し4ピンにしたものを準備します。
    連結してからはんだ付けします。1個つづはんだ付けすると基板に上手く並びません。注意してください




  7. LANコネクタを取りつけます。
    少々キツイですが、ちょっと力を入れて挿入します。
    ※一度に挿入せず、最初左側、次に右側と分けて力を入れると入りやすいです。

  8. ブリッジダイオードを取りつけます。
    部品と部品の間が狭いので垂直に注意します。
    半田ごてで十分にリードを温めて、半田をよく流し込むようにします。

  9. ICをICソケットに挿入します。

  10. ケースに収容して、完成です。
    ※LANコネクタが上蓋に支障するので、未加工のケースの場合、当該部分の上蓋を2mm削ります。
     加工済みケースの場合は、LANコネクタ側の面がすべて2mm削られているので、支障しない方向でフタを閉じます。
     (フタがあたる場合は、フタを上下反対にしてみてください。)


    なべ小ねじで4か所を止めて完成です。

トラブル解決(調整方法ほか)  

 トラブル解決の進め方、掲示板に寄せられるFAQ等をPdfにまとめています。参考にしてください。
  WebNucky部品頒布(トラブル解決編)(pdf)はこちら

 ユーザーサイト

  フジガヤ2 「Nucky様のS88-N TrainDetectorを組み立て」
  名古屋電鉄 「WebNuckyさんのS88-Nデコーダを作ってみた(製作編)」
  なごでんの日記 「WebNuckyさんのS88-N Train Detector を作ってみました」

最後に...

 半田不良、部品向きの間違えさえしなければ動作可能なものが出来ますので、時間をかけて丁寧に作りましょう。
 自分で作ったS88 Train Detectorで、鉄道模型の新しい楽しみ方を!
 良かったら「ポイント用デコーダ」や、車載用「ワンコインデコーダ4」にもチャレンジしてみてください。
inserted by FC2 system