Pickit2の使い方
PICマイコンにプログラムを書き込むためのツールであるPickit2について使い方をご紹介します。
メーカの公式見解では、現在は「Pickit3」の使用が推奨されています。
新規に購入等される場合は「Pickit3」をご利用ください。
1.はじめに
Pickit2はPICマイコンを製造しているマイクロチップテクノロジー製の純正書き込み装置です。
特徴
2.準備
(1)Pickit2の入手
Pickit2は単体のほかに、開発用基板がセットになっているものがあります。PICにプログラムを書き込むだけであれば、通常は単体のもので構いません。PICマイコンの勉強をしたい方は、開発用基板がセットになっているものを入手されてもいいと思います。
電気街で入手 ・・・
東京・秋葉原や大阪・日本橋の電子部品店で取扱しているところが多いです。店によって価格も異なるので、なるべく安いところを探しましょう。
私の知っている限りではココが最安です。
(2015.02.14追記:秋月電子では売り切れた模様です。)
通信販売で入手 ・・・
電子部品の通販サイトで入手できます。
マイクロチップ自体もマイクロチップダイレクトという通販サイトをやっていて入手できます。日本で入手しずらいPICマイコンと同時に買うときは便利です。
(2015.02.14追記:メーカ直販ではまだ購入できるようです。ただし「新規導入は推奨しない」と書かれています。)
(Pickit2のパッケージ)
(2)書込みアダプタの製作
Pickit2のコネクタはそのままではPICマイコンに接続できません。
そこでアダプタを作成します。作成方法、使用方法は専用ページを参照ください。
(3)アプリケーションソフトウェアの入手
注意:アプリケーションのインストールが済むまでPICKIT2をパソコンのUSBと接続をしないでください!
ソフトウェアをインストールした後にUSBに接続にします。
ソフトウェアはパッケージの添付CDに入っていますが、バージョンが古いので、最新版をダウンロードします。
適応機種
Windows XP
Windows Vista 32-bit
Windows Vista 64-bit (仮確認)
PICkit 2 v2.61.00 Setup A.zip (既に.NET Frameworkがインストール済みの場合)
PICkit 2 v2.61.00 Setup dotNET A.zip (.NET Framework2.0が同梱。不明な場合はこちら)
日本語マニュアルもダウンロードしておくといいと思います。
(4)アプリケーションソフトウェアのインストール
注意:「.NET Framework」がインストールされていない場合、マイクロソフトのページに飛び、ダウンロードする作業が発生します。
ダウンロードしたファイルを適当な場所に展開し、setup.exeを実行します。
質問は通常、「Next」を選んでいけば問題ありません。
インストールフォルダとユーザを選びます。通常はそのまま。
「Next」を選択すると進みます。
ライセンスの許諾です。「I Agree」を選び、「Next」をクリック。
インストールが完了しました。
インストールが終わったら、PICkit2を添付USBケーブルでパソコンに接続します。
すると、それがHID準拠デバイスとして認識されます。
(右下のUSB機器アイコンは表示されないので、認識したかどうかは、
デバイスマネージャを表示させながらPICkit2を抜き差しすると分かります。)
(6)PICkit2の内部プログラム(ファームウエア)のアップデートを行う
PICkit 2アプリケーションを起動させます。
起動後の画面イメージです。
初回は起動させると、最初に内部プログラムのアップデートの催促ダイアログが表示されます。
「UpDate Operating System」の画面を「OK」すると、アップデートが開始します。
PCの性能にもよりますが、40秒~1分間以上の時間が掛かる場合があります。
書き込み中は、アプリケーションから応答があるまで、絶対にUSBからPICkit2をはずさないようにします。
万一はずしてしまった場合や、アップデートに失敗した場合は、PICkit2のBusyランプが約1秒毎に点滅を繰り返すようになっています。
その場合は、一度PICkit2を終了し、再度ソフトを起動し、Tools -> Download PICkit 2 Operating Systemを選択し、
手動で内部プログラムのアップデートを行います。
ここに書いた内部プログラムはPICkit 2アプリケーションをインストールすると同梱されています。
(内部プログラムの標準の場所は「C:\Program Files\Microchip\PICkit 2 v2」です。ファイル名は「PK2V023200.hex」等になっています。)
また、初回起動時に再起動を促すダイアログがでる場合があります。その場合は「はい」をクリックし再起動します。
再起動したら、PICkit 2を差し込みしなおします。
3.書込み方法
いよいよPICマイコンにプログラムを書き込みます。
Pickit2にマイコンを認識させない状態でHexファイルを読み込ませてもエラーになる場合がありますので、一度、PICkit2にマイコンを認識させた後に、書込むプログラム(HEXファイル)を読み込ませるのがポイントです。
PICマイコンをアダプタに装着し、「Blank Check」を行うと、正常動作ならDevice名を認識し、結果が表示されます。
DeviceのところにPIC12F629と表示されました。
次にFile-Inport Hex Fileを選択し、マイコンに書込むプログラムをソフトに読み込みます。
ファイルを指定する画面です。画面例はポイント用デコーダのファイルを選択しています。
Hex file sucessfully importedと表示されれば読み込みOKです。
マイコンに書込むために「Write」をクリックします。
エラーメッセージが表示されました。PIC12F629は書込むために最低でも4.5V必要だ!と言っています。
Cancelを選び戻ります。
書込み電圧を5.0Vに設定するためにVdd PICkit2を5.0に設定します。
再び、マイコンに書込むために「Write」をクリックします。
Programing Successfulと表示されれば、書込みは成功です!
4.その他(参考になる情報)
このページでは、あらかじめPICに書込むべきプログラム(Hexファイル)があることが前程になっていますが、自分でプログラムを作る場合はマイクロチップから無償で提供されているMPLABというツールをインストールして使います。使い方等、興味のある方は、以下に示す書籍やページを参考にされると良いと思います。
参考になる書籍をご紹介します。
やさしいPICマイコンプログラミング入門(秀和システム) 初心者向けに丁寧に記載してあり入門書として最適と思います。
はじめてのPICアセンブラ入門(CQ出版社) 他のマイコン等でアセンブラの経験がある方はこちらをお勧めします。
参考になるページをご紹介します。
無料のPIC最強開発環境 PICkit2、MPLAB(PICの開発環境)の使い方等、説明が細かくわかりやすいです。
電子工作の実験室 電子工作の基礎、ノウハウから、PICマイコンの応用事例まで非常に広範囲に有益な情報があります。
趣味の電子工作 PICのについてや、EAGLEによるプリント基板の設計方法等が参考になります。