ワンコインデコーダ6のCV説明
旧ソフトVerであるアセンブラ版ソフトのCV設定については、こちらのページを参照ください。
| 注意: このページは「ワンコインデコーダ6」(ソフトVer2.0以降)のCV値の内容について記載しています。 CV値の書込み、読み出しは、DIRECT、PAGEモードをサポートしているので、市販のデコーダと同様に、通常はプログラム線路で行います。 OPSモードの場合は線路フィダー側での接続になります。ご注意ください。 (コマンドステーションにより異なる場合がありますので、コマンドステーションの取扱説明書を確認してください。) Physモードはサポートしていません。 DCS50Kで「AD4」と表示され4桁アドレスを設定するモードでは、DCS50Kにバグがあり本来Pagedモードであるべきところが一部Dirモード等のPageモード以外によるCV設定が行われる場合があります。 このため、CV29が正常に書込みされない場合があります。この場合、CV29を新たに設定(CV設定値38)することで、4桁アドレスが使用可能になります。 本デコーダでの4桁アドレス設定は、CV17,CV18,CV29を個別に設定することをお勧めします。 CVの読み込みに失敗する場合は、何度か操作を繰り返してください。 何度繰り返してもエラーの場合は下記の内容が想定されます。 CVの読み出しはコマンドステーションから読み込みするときの応答として、消費電流の増加で応答しています。 モータおよびライトを短い時間だけONの制御をおこない、消費電流を増やしています。 モータ接続せずにデコーダを使用している場合や、ライトがLED等で消費電流が低い場合応答が正常に認識されず、 コマンドステーション側でCVの読み込み処理に失敗する場合があります。(電流値の目安はDCCの規格上60mA以上となっています。 |
1.機能概要と主な特徴
このデコーダは、8ピンの超小型マイコン(PIC12F1822)を使用し、NゲージやHOゲージ等の限られたスペースへの搭載を前提とした高機能な自作モバイルデコーダです。- 強靭なノイズ耐性(100% C言語設計): ハードウェア割り込みを使用せず、独自のポーリング方式とタイマーを組み合わせることで、レールからの汚れによるアナログ的なノイズを強力にシャットアウトします。
- 超高周波・無音PWM: 約31.4kHzのPWM駆動により、モーターの耳障りな発振音(ジー音)を排除。周波数はモーター特性に合わせて8段階で調整可能です。
- 実物さながらの走行ギミック: 3点折れ線スピードカーブに加え、非常に細かく設定可能なモメンタム(慣性)、起動時の摩擦を打ち破るキックスタート機能を搭載しています。
- 瞬断対策(レジューム機能): 集電不良で一瞬マイコンが再起動しても、直前の進行方向やライトの点灯状態を瞬時に復元し、不自然なチラつきを防ぎます。
- 両極性Fxモード: モーター出力端子を「方向によって極性が反転するライト出力(ファンクション0前後)」に切り替える機能を搭載。市販車両のライト基板を無改造で駆動できます。
2.ソフトウェアの使用条件
本デコーダのソフトウェアは、GPL(GNU General Public License)ライセンスに基づき、自由に使用・改変いただけます。
ただし、本ソフトウェアを利用・改変した派生物(改造ソフト等)を公開・配布する際は、必ず同一のGPLライセンスを適用し、ソースコードを公開してください。
また、著作者への事前連絡のない商用利用は固く禁止いたします。
3.CV変数一覧と初期値
| CV | 名称 | 初期値 | 設定範囲 | 備考 |
| 1 | ショートアドレス | 3 | 1~127 | 基本アドレス「3」 |
| 2 | 始動電圧 (Vstart) | 0 | 0~255 | スロットル「1」時の電圧 |
| 3 | 加速率 (モメンタム) | 0 | 0~255 | 数値1あたり約0.13秒で次の速度へ増 |
| 4 | 減速率 (モメンタム) | 0 | 0~255 | 数値1あたり約0.13秒で次の速度へ増 |
| 5 | 最大電圧 (Vhigh) | 255 | 0~255 | スロットル最大時の電圧 |
| 6 | 中間電圧 (Vmid) | 0 | 0~255 | スロットル中間時の電圧指定 ただし0で直線カーブを自動計算 |
| 7 | バージョン | 20 | - | 読取専用 (Ver 2.0) |
| 8 | メーカーID / リセット | 156 | - | 書込で初期値にリセット |
| 9 | PWM周波数 | 0 | 指定値 | 0=約31.4kHz(無音設定) |
| 17 | ロングアドレス上位 | 192 | 192~231 | |
| 18 | ロングアドレス下位 | 128 | 0~255 | |
| 29 | 基本動作設定 | 2 | - | 初期値は28/128Step有効 |
| 30 | 両極性Fxモード | 0 | 0 または 2 | 0:通常モータモード 2:モーター端子をライト出力化 |
| 33 | RA1ピン ファンクション(設定1) |
16 | 0~255 | 初期値: F0前進に割当 |
| 34 | RA1ピン ファンクション(設定2) |
0 | 0~255 | |
| 35 | RA0ピン ファンクション(設定1) |
32 | 0~255 | 初期値: F0後進に割当 |
| 36 | RA0ピン ファンクション(設定2) |
0 | 0~255 | |
| 64 | キックスタート持続時間 | 0 | 0~255 | 発進時のキックスタート1につき約2ミリ秒 |
| 65 | キックスタート強度 | 0 | 0~255 | 発進時に上乗せする電圧 |
4.CVの詳細設定とチューニングガイド
4-1. 車両アドレスの設定(CV1, CV17, CV18)
コントローラ(コマンドステーション)からこのデコーダを呼び出すための「車両番号」を設定します。アドレスには短いもの(ショート)と長いもの(ロング)の2種類があり、CV29の設定によってどちらを使うかが決まります。CV1(ショートアドレス)
設定範囲: 1 〜 127 (初期値は 3)解説: 1〜2桁の短いアドレスを使用する場合に設定します。設定が簡単で、多くの場合このCV1を使います。
CV17, CV18(ロングアドレス)
設定範囲: 0128 〜 9999 (CV17とCV18の2つのCVを組み合わせて4桁を表現します)
解説: 実車の車番(「103」や「EF5861」なら「5861」など)をそのままアドレスとして登録したい場合に使用します。通常はコントローラ側の「ロングアドレス設定画面」などから4桁の数字を入力すれば、システムが自動的に計算してCV17とCV18に数値を分割して書き込んでくれます。
自動的に上手く設定できない場合は、CV17、CV18、CV29を個別に書き込みます。
CV17,CV18については以下のツールを利用して数値をメモしておき、書き込むようにします。
4桁用アドレス計算ツールはこちらから!
4-2. デコーダの基本動作ルール(CV29)
CV29 は、デコーダの「根本的なルール」を決定するDCC規格で最も重要なCVです。必要な機能の数値をすべて足し算して、その合計値を書き込みます。【CV29に足し合わせる数値のルール】
1 : 進行方向を反転させる(モーターの配線を逆に繋いでしまった場合や、編成の向きを逆にしたい場合に便利です)
2 : 28/128スピードステップを有効にする(※必須。初期値で含まれています。これがないとライトが不規則に点滅するなどの誤動作が起きます)
32 : ロングアドレス(CV17/18)を使用する(ショートアドレスを使う場合は足しません)
(設定例)
2 (初期値) : ショートアドレス(CV1)を使い、通常の進行方向で走る。
3 : ショートアドレス(CV1)を使い、進行方向を逆にする(1 + 2 = 3)。
34 : ロングアドレス(CV17/18)を使い、通常の進行方向で走る(2 + 32 = 34)。
35 : ロングアドレス(CV17/18)を使い、進行方向を逆にする(1 + 2 + 32 = 35)。
4-3. モーター・速度制御(CV2, CV5, CV6)
スロットル操作に対するモーターの出力電圧を設定します。CV2 (始動電圧):
動き出しの最低電圧です。CV5 (最大電圧):
最高速度を抑えたい場合に数値を下げます。CV6 (中間電圧): ※Ver2.0以降新機能
スロットルが中間の時の速度を指定します。CV2とCV5の中間の値を設定しますが、低速よりとするか、高速よりとするかはお好みで設定してくださいただし、0 に設定すると、CV2とCV5の中間値を自動計算し、綺麗な直線カーブになります。
4-4. モメンタム / 慣性設定(CV3, CV4) ※Ver2.0以降新機能
目標速度に達するまでの「遅延時間」を設定し、実車のような重量感のある発進・停止を再現します。本デコーダは非常に細かく小刻みな調整が可能なスケールを採用しています。時間の目安:
設定値 1 につき、次の速度ステップに遷移するのに 約0.13秒 かかります。10: 約1.3秒で最高速
50: 約6.5秒で最高速
100: 約13秒で最高速
4-5. キックスタート(CV64, CV65) ※Ver2.0以降新機能
古いモーターや動き出しが渋い車両に対し、発進の一瞬だけ高い電圧をかけて静止摩擦を打ち破る機能です。CV64 (持続時間):
高電圧をかける時間です。設定値 1 につき約2ミリ秒 持続します。(250 で約0.5秒)CV65 (強度):
発進時に上乗せする電圧(PWM出力値)の強さです。4-6. PWM周波数の変更(CV9)
モーターの駆動音(発振音)や低速トルクを調整します。指定の数値をCV9に書き込んでください。0 : 約31.4kHz(初期値・無音・高速域重視)
1 : 約7.8kHz
2 : 約2.0kHz
3 : 約490Hz(極低速のトルク重視)
※ 上記の数値に 8 を足すと、周波数がそれぞれ半分になり、より低速安定性・トルク重視のセッティングになります
(例: 8=約15.7kHz, 11=約245Hz)。
4-7. ユニバーサル・ファンクションマッピング(CV33〜CV36) ※Ver2.0以降CV35内容変更
マイコンの出力ピン(RA0, RA1)に対して、コントローラのどのボタン(F0〜F12)を押した時に反応させるかを自由に割り当てすることが可能です。複数の数値を足し合わせて入力すると、複数のボタンに反応させることができます。ただし、ワンコインデコーダ6の基板ではRA0, RA1ピンの出力用のハードがありませんので、マイコン出力に電流制限を付けてLEDをドライブするか、トランジスタによるオープンコレクタ回路を付加するなど各自工夫してください。【CV33(RA1ピン設定1) / CV35(RA0ピン設定1)用 数値】
1=F1, 2=F2, 4=F3, 8=F4, 16=F0(前進時), 32=F0(後進時)【CV34(RA1ピン設定2) / CV36(RA0ピン設定2)用 数値】
1=F5, 2=F6, 4=F7, 8=F8, 16=F9, 32=F10, 64=F11, 128=F124-8. モーター出力をライトに転用する「両極性Fxモード」(CV30)
本デコーダ独自の特殊機能です。デコーダを「動力車」ではなく「先頭車のライト専用」として使う場合に威力を発揮します。CV30 = 0 (初期値:通常モード):
モーター端子(RA4, RA5)は、スロットル操作に応じて電圧が変わる「モーター駆動用」として機能します。CV30 = 2 (両極性Fxモード):
モーター端子への出力がスロットル(速度)と無関係になり、「F0(ヘッドライト/テールライト)ボタン」に完全に連動するようになります。コントローラの進行方向を切り替えると、出力端子のプラス/マイナスの極性がそのまま反転し、100%の電圧が出力されます。
活用法:
市販の鉄道模型の先頭車に入っている「ライト基板(極性反転でヘッドとテールが切り替わる回路)」を、デコーダのモーター端子にそのままハンダ付けするだけで、DCC環境下で正しくヘッド/テールライトの切り替え点灯ができるようになります。4-9. デコーダの初期リセット(CV8)
CV8は、コマンドステーションから「読み出し」を行うか「書き込み」を行うかで、全く異なる2つの働きをします。設定を間違えてデコーダが応答しなくなった場合の救済措置として使用します。① 読み出し時(メーカーIDの確認)
コマンドステーションでCV8の値を「読み出し(Read)」すると、「156」(16進数で 0x9C)という数値が返ってきます。これはNMRA規格で割り当てられたメーカーIDで、「156」はNucky製のデコーダであることを示しています。
② 書き込み時(ファクトリーリセットの実行)
アドレスが分からなくなったり、設定が混乱して動かなくなったりした場合、CV8に「8」という数値を書き込む(Write)ことで、デコーダの主要な設定を工場出荷時の状態に強制リセット(初期化)できます。本デコーダでCV8に「8」を書き込むと、以下の基本機能に直結するCVのみが安全に初期化されます(※ライトの割り当て設定などは保持されます)。
CV1(ショートアドレス): 3 に戻ります。
CV17 / CV18(ロングアドレス): 初期値に戻り、ロングアドレス設定がリセットされます。
CV29(基本動作設定): 2(28/128スピードステップ有効、ショートアドレス使用)に戻ります。
