ワンコインDCCデコーダ、FLデコーダのCV設定
自作デコーダの機能とCV値の関係について、ご紹介します。
注意: このページは「ワンコインデコーダ」「FLデコーダ」のCV設定方法について記載しています。 Pageモードをサポートしている「ワンコインデコーダ2」「ファンクションデコーダ2」は市販のデコーダと同様にプログラム線路で行います。 Pageモードをサポートしない「ワンコインデコーダ」「FLデコーダ」はCV値の設定が、少々面倒です。 よくお読みのうえ、CV値の変更を行ってください。 アドレスの変更も、手順を間違えると、デコーダのリセットすら できなくなりますので、注意してください。(リセット不可時はもう一度PICにソフトの書き込みをします) |
CV値の設定方法
まず、大きな制限としてこのデコーダのCV値の書き込みは、OPSモードのみサポートしています!!
Digitrax等多くのDCC機器で標準?的はPAGEモードはサポートしていません!
したがって、CV値の書き込みにはデコーダのアドレスを指定したうえで実施する必要があります。DCS50K等の2桁、4桁アドレスの設定機能は使用できません。ご注意ください。
プログラムする際に使用する線路はプログラム線路ではなく、走行用線路です。フィダーの接続にも注意してください。
アドレスに関わるCV値(CV1,CV17,CV18,CV29)を変更する場合は手順に注意が必要です。手順を誤るとデコーダが認識するアドレスを把握できなくなります。これはCV8を書き込みリセットするためのアドレスも把握できなくなりCV値の初期設定ができなくなります。(下段に変更方法についての具体例を記載しています。)
この場合、PICマイコンのEEPROMを初期化するため再度、PICマイコンにプログラムを書き込むことで、使えるようになります。
CV項目と値の一覧表
プログラムでサポートしている機能は以下のとおりです。
尚、FLデコーダは右欄に○がついた機能のみ利用できます。
(同じプログラムをベースとしていますので書き込みはできますがハードウェアがないので、機能しません。)。
CV番号 | 説明 | 設定範囲 | 初期値 | FLデコーダ | |
CV01 | 2桁アドレス CV29のbit[5]が0の場合有効となります。 |
01〜128 | 3 | ○ | |
CV02 | スタート電圧 | 00〜255 | 0 | − | |
CV05 | 最大電圧 | 00〜255 | 255 | − | |
CV09 | モータPWM周波数設定 | 4,5,6,12,13,14以外に 設定しないでください。 (設定した場合モータ制御異常となります。) |
4 | − | |
公開版 12 約7.8KHz 4 約3.9KHz(初期値) 13 約2.0KHz 5 約1.0KHz 14 約500Hz 6 約250Hz |
アナログ対応版 12 約15.68KHz 4 約7.8KHz(初期値) 13 約3.9KHz 5 約2.0KHz 14 約1.0kHz 6 約500Hz |
||||
CV13 | アナログ線路上で運転する場合の ファンクションの設定 アナログ対応版のみ CV29のbit[2]が1の場合有効となります。 16:F0をアナログ運転時に使用 32:F1をアナログ運転時に使用 48:F0、F1をアナログ運転時に使用 |
16,32,48以外に設定しないでください (設定した場合モータ制御異常、 デコーダの破損につながります。) |
16 | アナログ 未サポート |
|
CV17 | 4桁アドレス(上位) CV29のbit[5]が1の場合有効となります。 |
192〜230 変更したいアドレスに対する 値の計算方法は下欄を参照ください |
192 | ○ | |
CV18 | 4桁アドレス(下位) CV29のbit[5]が1の場合有効となります。 |
128〜255 変更したいアドレスに対する 値の計算方法は下欄を参照ください。 |
128 | ○ | |
CV29 | デコーダ動作設定 bit[0]: [0]進行方向「正」 [1]進行方向逆 bit[1]:常に[1] [0]14ステップ [1]28,128ステップ bit[2]: アナログ対応対応版のみサポート [0]アナログ変換OFF [1]アナログ変換ON bit[3]:未使用 bit[4]:未サポート [0]スピードテーブルOFF [1]スピードテーブルON bit[5]: [0]2桁アドレス [1]4桁アドレス bit[6]:未使用 bit[7]:未使用 |
6:前後通常 2桁アドレス 38:前後通常 4桁アドレス 7:前後入替 2桁アドレス 39:前後入替 4桁アドレス |
6 | ○ |
CV1 : 2桁アドレス(001〜127)の設定方法
例:現在アドレス003であるものを113に変更する場合
CV1 に113を書き込みます。
CV2 : スタート電圧の設定方法
スタート電圧は設定されている値よりスロットル値が低い場合、設定されている値でモータを制御します。ただし、スロットル値が0の場合はモータ制御は0となります。
これによりスタート特性が良くない車両をうまく制御できます。
例:設定されている数値が10の場合
スロットル値が0の場合は、モータ制御は0です。
スロットル値が1の場合は、モータ制御は10です。
・・・・・
スロットル値が9の場合は、モータ制御は10です。
スロットル値が10の場合は、モータ制御は10です。
スロットル値が11の場合は、モータ制御は11です。
・・・・・
※128ステップの場合、スロットル値の実際は0〜127です。デコーダ内部ではこれを2倍して0〜255段階で処理しています。
CV5 : 最高電圧の設定方法
最高電圧は設定されている値よりスロットル値が高い場合、設定されている値でモータを制御します。
これにより最高速度を抑えたい場合に車両をうまく制御できます。
例:設定されている数値が200の場合
・・・・・
スロットル値が199の場合は、モータ制御は199です。
スロットル値が200の場合は、モータ制御は200です。
スロットル値が201の場合は、モータ制御は200です。
・・・・・
スロットル値が255の場合は、モータ制御は200です。
※128ステップの場合、スロットル値の実際は0〜127です。デコーダ内部ではこれを2倍して0〜255段階で処理しています。
CV9 : PWM周波数設定
モータ制御するPWM周波数の設定を行います。発車時のキーんというノイズが気になる方やコアレスモータ等の場合、周波数を変更してみてください。
以下にCV9に設定する値によるPWM周波数の変化を記します。
公開版
12 約7.8KHz
4 約3.9KHz(初期値)
13 約2.0KHz
5 約1.0KHz
14 約500Hz
6 約250Hz
アナログ対応版
12 約15.68KHz
4 約7.8KHz(初期値)
13 約3.9KHz
5 約2.0KHz
14 約1.0kHz
6 約500Hz
CV13 : アナログ線路上で運転する場合のファンクション設定
アナログ線路上で運転する際、ファンクション制御するための設定です。
16:F0をアナログ運転時に使用
32:F1をアナログ運転時に使用
48:F0、F1をアナログ運転時に使用
16,32,48以外に設定しないでください。(設定した場合モータ制御異常、デコーダの破損につながります。)
F0はCV29の走行方向(正・逆)の入れ替え設定に応じた制御となっています。
※ FLデコーダは現在、アナログ線路上での動作をサポートしていません。今後、サポートする方向で考えています。
CV17,CV18 : 4桁アドレス(0128〜9983)の設定方法
例:現在アドレス256であるものを583に変更する場合
書き込むべき、CV値を計算ツールで計算し、メモしておきます。
メモしたCV値をCV17,CV18に書き込みます。
CV17に194を書き込みます。
CV18に71を書き込みます。
4桁用アドレス計算ツールはこちらから!
尚、アクティブコンテンツを利用しているため、画面の上に「セキュリティ保護のため〜」というメッセージが表示される場合があります。 この場合、「セキュリティ保護のため〜」箇所をクリックして、「ブロックされているコンテンツを許可」をクリックしてください! |
尚、アドレス0128はCV17=192、CV18=128 であり、アドレス9983はCV17=230、CV18=255 となります。
CV29 : デコーダ動作設定
CV29ではデコーダの機能を変更できます。
現在のところ、走行方向(正・逆)の入れ替えと、使用アドレスを2桁、4桁のどちらとするかの機能のみサポートしています。
CV29のbit割り付けは以下のとおりです。
bit[0]: [0]進行方向「正」 [1]進行方向「逆」 bit[1]:常に[1] [0]14ステップ [1]28,128ステップ bit[2]: アナログ対応対応版のみサポート [0]アナログ変換OFF [1]アナログ変換ON bit[3]:未使用 bit[4]:未サポート [0]スピードテーブルOFF [1]スピードテーブルON bit[5]: [0]2桁アドレス [1]4桁アドレス bit[6]:未使用 bit[7]:未使用 |
したがって、以下の設定で、前後入れ替え、使用アドレスの切り替えが可能です。
6:前後通常 2桁アドレス
38:前後通常 4桁アドレス
7:前後入替 2桁アドレス
39:前後入替 4桁アドレス
例:2桁→2桁アドレスの変更方法
CV1を変更した時点でアドレスが即座に変わります。
アドレス3のデコーダにOPSモードでCV1を4を書き込んだ以降は、アドレス4のデコーダに対してOPSモードで書き込みをする必要があります。
例:4桁→4桁アドレスの変更方法
4桁から4桁のアドレス変更には注意が必要です。4桁アドレスはCV17とCV18により決定されますが、CV17やCV18は同時に変更ができないため、どちらかを設定した際に、アドレスが意図しないアドレスとなり、残りのCVの設定が困難になります。
したがって、4桁→4桁の変更は一度2桁を経由しての変更をオススメします。
具体的には、まずCV1を3等に設定しておき、CV29で2桁アドレスを有効にする。その後、cv17、cv18の変更が終わったところで、CV29を変更し、4桁アドレスを有効化するとい方法です。
例:2桁→4桁アドレスへの変更方法
CV29の書き込みタイミングに注意します。
これは、CV17,CV18に書き込まれている値が分からないままCV29を変更すると、CV値設定のために設定すべき4桁アドレスが分からなくなるためです。
したがって、CV29を変更した時点で、デコーダは4桁アドレスでの制御になりますので、予めCV17,CV18を設定してから、CV29を書き込みます。
例:4桁→2桁アドレスへの変更方法
CV29の書き込みタイミングに注意します。
これは、CV1に書き込まれている値が分からないままCV29を変更すると、CV値設定のために設定すべき2桁アドレスが分からなくなるためです。
CV29を変更した時点で、デコーダは2桁アドレスでの制御になりますので、予めCV1を設定してから、CV29を書き込みます。