ポイント用アクセサリデコーダ(FPM Decoder4)

昇圧機能を内蔵したポイントデコーダ3が4回路にバージョンアップ。両渡りポイント等の大電力を消費するマシンの動作も考慮した「ポイント用アクセサリデコーダ(FPM Decoder4)」をご紹介します。

ワンコインデコーダ6を利用したポイントデコーダはこちら
コンデンサ充放電のポイント用デコーダ(初版)はこちら、TA7291使用の第2版はこちらです。TB6643KQ使用の第3版はこちらです。


 当サイトで頒布している専用基板で製作した事例です。(100X50X25mm)

 前Ver(ポイントデコーダ3)の動作動画です。



トピックス

2022.01.10 新規ページ作成。部品と基板を頒布開始。

はじめに...

 このデコーダは、ほとんどの直流2線式コイル式のポイントマシンを制御することができます。
 昇圧機能を内蔵し電力を増強するので、シーサス(両渡りポイント)や片渡り線など複数のポイントマシンを同時に動かす必要のある場合に対応できます。
 このデコーダ1個で4回路(回路A,B,C,D)までのポイントマシンを個別に操作できます。
 ねじ止め端子を使用していますので、電線の接続が容易です。(各社のポイント用コネクタは途中で切断して接続します。)
 昇圧回路は、やあさん、fujigaya2さんをはじめとしたDCC電子工作連合のメンバーのアイデアを参考にしています。

特徴

回路図

   回路図(pdf)はこちら (2022.1.8更新)

 回路図です。EAGLEで作成しました。

回路の説明

 回路を簡単に説明しておきます。
 レールからの電力をブリッジダイオードを介して整流します。電流容量は大きいほうがよいのですが、ここでは2Aのダイオードブリッジを使用しています。整流した電源が昇圧電源の元電源の12Vの電源になります。 赤色LEDで線路電源の表示を行っています。
 コイル、ダイオード、FET、コンデンサにより昇圧チョッパ回路を構成しています。PICマイコンのPWM出力でFETをドライブしつつ、発生電圧をPICマイコンにフィードバックさせて昇圧電圧が目標値になるように制御しています。
 一方、3端子レギュレータIC(78L05)を用いてPICマイコンの電源となる5Vを得ます。
 レールからのDCC信号は33KΩの抵抗を介してPICマイコンに入力します。外付けの保護回路は省略しPICの内部保護回路を当てにした設計としています。
 PICマイコンに入力されたDCC信号は、ソフト処理されたポイント転換信号(モータドライバ用およびLED用)を出力します。
 モータドライバはディスクリートのHブリッジ回路を使用しポイント転換の電流を制御します。コンデンサにチャージされた電荷により動作をするためポイントマシンの焼損を防止しています。

部品リスト

 パーツ集めで秋葉原等の電気街に足を運ぶのも電子工作の楽しみのひとつですが、最近はネット通販を上手に利用し部品あつめをすることも便利かと思います。
 秋月電子で調達可能な部品を中心に使用しています。必要な部品とソフト書込み済のマイコン、専用基板をセットにして頒布していますので、よろしければご利用ください。4回路搭載でディスクリート回路とすることで、市販品と比較し安価にすることができました。
 また、リスト以外に「ハンダこて等の工具」の用意が必要です。

 アクセサリデコーダ部品表  

No. 規格 仕様 個数 主な入手先 備考
R1 不燃性酸化金属被膜抵抗(3W) 22Ω 3W 1 秋月
R2,15,16,25,26,35,36,45,46 炭素皮膜抵抗(1/6W) 10Ω 1/6W 9 秋月 茶黒黒金 注1
R3,17,18,27,28,37,38,47,48  炭素皮膜抵抗(1/6W) 6.8KΩ1/6W 9 秋月 青灰赤金 注1
R4 炭素皮膜抵抗(1/6W) 30KΩ1/6W 1 秋月 橙黒橙金 注1
R5 炭素皮膜抵抗(1/6W) 7.5KΩ1/6W 1 秋月 紫緑赤金 注1
R6 炭素皮膜抵抗(1/6W) 33KΩ1/6W 1 秋月 橙橙橙金 注1
R7,19,20,29,30,39,40,49,50 炭素皮膜抵抗(1/6W) 2.2KΩ 1/6W 9
秋月 赤赤赤金 注1
R8,9,10 炭素皮膜抵抗(1/6W) (欠番)
R11,12,13,14,21,22,23,24,
31,32,33,34,41,42,43,44
 
炭素皮膜抵抗(1/6W) 27KΩ1/6W 16
秋月 赤紫橙金 注1
L1 電力用インダクター 100uH/1.1A
SRC1317-101M
1 秋月
C1,5 積層セラミックコンデンサー 1uF/50V 2 秋月 105表記
C2,C4 電解コンデンサ 47uF/35V 2 秋月
C3 電解コンデンサ 2200uF/35V 1 秋月 サイズ注意
Q1 NchパワーMOSFET 2SK4017(Q) 1 秋月
Q2,4,6,8  PchデュアルMOSFET  FDS4935A 4 秋月  
Q3,5,7,9 NchデュアルMOSFET  NDS9936 4 秋月  
IC1 3端子レギュレータ 78L05 1 秋月 相当品可
IC2 PICマイコン PIC16F1828-I/P 1 秋月 別途ソフト書込み必要
D1 ブリッジダイオード SDI2100 1 秋月 相当品可
D2 整流用ダイオード 1N4007 1 秋月 相当品可
LED1 赤色LED 3mm 1 秋月 チャージ完了表示用
LED2,3 黄色LED 「t」表示用 3mm 4
秋月 緑色LED、黄色LEDの指定は
反対でも構いません。
LED4,5 緑色LED 「c」表示用 3mm 4
秋月
RAIL,A,B,C,D ターミナルブロック 2ピン(青)(縦)小
2ピン(緑)(縦)小
5 秋月
秋月
ICソケット DIP 20P 平バネタイプ 1 秋月 丸ピンタイプでも可
専用プリント基板 100x50mm 1 頒布 (部品込みで頒布しています)
 注1 1/6W抵抗のカラーコードは細いので判読が難しいのでテスターで抵抗値を測定することを推奨。
 部品の詳細情報などはリンクのページからたどってみてください。

部品の概要

 アクセサリデコーダで使用する部品を紹介します。
酸化金属皮膜抵抗: 22Ω/3W小型


 昇圧回路の電源の電流制限するための抵抗器です。
 電力用抵抗器で容量は3Wです。従来の2Wと同じサイズの小型品を使用しています。
 部品の向きはありません。実装時はリード線を曲げて取りつけます。
炭素皮膜抵抗器 1/6W


 誤差5%の炭素皮膜抵抗器の1/6Wタイプです。1/4Wの小型品(S2サイズ)でも構いません。
 1本5~10円程度なのですが、100本で100~200円で入手できるので、袋でまとめ買いしています。
 抵抗値は部品に書いてあるカラーコードで判別できますが、小型品はカラーコードが細かいためにテスターでの確認をお勧めします。
 使うまで袋から出さないのが賢明です。部品の向きはありません。
電力用インダクター LHL13NB101K


 太陽誘電の電力用インダクター(LHL13NB101K)です。2A流せるものを選定しています。極性はありません。
積層セラミックコンデンサ


 極性はありません。 0.1μFは部品に「104」と、1μFは「105」と表記されています。リード線の加工形状が2.5mmのものが小型製作に向いています。
 5mmのタイプでも、2.5mmでも、リード線をラジオペンチ等で整形すれば、どちらも相互に利用可能です。
電解コンデンサ : 2200uF/35V 、 47uF/35V


 ポイントマシンを動作させる電源を貯めるために電解コンデンサを用います。2200μF/35V品を使用しました。
 頒布のプリント基板は直径18mmまで、足の間隔7.5mmに対応しています。
 マイコン制御用電源の3端子レギュレータの入出力には47μF/35Vを用いています。どちらも+-極性があります注意しましょう。
 足が長いほうが+(プラス)、短いほうが-(マイナス)です。
NchパワーMOSFET: 2SK4017(Q)


 昇圧回路に使用しているFETです。部品の向きがあります。刻印面と放熱フィンを頼りに実装します。
PchデュアルMOSFET: FDS4935A


 ポイントマシンを駆動するためのHブリッジ回路に用いるPchFETです。1つのチップに2素子入りです。

NchデュアルMOSFET: NDS9936


 こちらもポイントマシンを駆動するためのHブリッジ回路に用いるNchFETです。1つのチップに2素子入りです。

3端子レギュレータ:78L05


 3端子レギュレータとは電源ICの仲間です。
 変動する電源から、安定した決まった電圧の電源を生成する目的に用いられます。 部品の向きがあります。注意しましょう。
 (組み立て時の小型化から100mAタイプの78L05を指定していますが、1Aタイプの7805も使用可能です。ただし、ピン配列が異なるので注意が必要です。)

PICマイコン:PIC16F1828-I/P


 PICとはマイクロチップテクノロジー社のワンチップマイコンのことで、電子工作ではよく利用されているマイコンです。
 プログラムの書き込みには、Pickit2等のマイクロチップテクノロジー社純正プログラマを使用します。
 PIC等マイコンは目的の動作をするようにプログラムを書き込んで使う部品です。プログラムを書き込まないで製作した場合は動作しません。
 頒布のページで頒布しているPICマイコンはプログラム書込み済みとなっています。

 1番ピン側に凹みがあります。注意しましょう。 部品の向きがあります。注意しましょう。
ブリッジダイオード:SDI2100


 DCC信号を整流し、直流電力を得るためにブリッジダイオードを用います。SDI2100は秋月電子で入手できるショットキーバリアブリッジダイオードから100V 2Aのものを選びました。交流の入力側と直流の出力側が隣同士にならんでいるため実装に便利です。 部品の向きがあります。注意しましょう。
ダイオード: 1N4007


 整流回路用のダイオードです。外観と回路図記号の対象は写真のとおりです。 部品の向きがあります。注意しましょう。
 本機では、実装するときにリード線を曲げていますが、本体にストレスがかからないように注意して曲げましょう。
LED(直径3mm)


 直径3mmのLEDです。 部品の向きがあります。注意しましょう。
自分の好きなLEDを使って貰ってOKなのですが、実装スペースの関係で直径5mmは厳しいと思います。
(青色LEDは順方向電圧の関係で光らないかもしれません。)
ターミナルブロック 2ピン(青/緑)小


 DCC線路電源の入力、ポイントマシンへの出力用の端子です。電線の差し込み口を基板の外側に向けて取り付けます。
ICソケット:DIP20ピン(平ピンタイプ)


 PIC16F1828のプログラムを更新する際に基板から取り外せるように使います。1番ピン側に凹みがあります注意しましょう。
 高価な丸ピンタイプを使わなくても良いでしょう。
 あらかじめ治具等でICのリード線を修正すると挿入しやすいです。便利なグッズがあります。(サンハヤト ピンそろった

専用プリント基板


 頒布ページで頒布している専用プリント基板です。 サイズは100x50mmです。

プラスチックビス/ナット(3mm)


基板裏側と下に置いた金属板などの接触を防ぐためにスペーサー代わりとして使用します。
(この辺りは各自工夫ください。)

製作方法(専用プリント基板)

 「アクセサリデコーダ4」を頒布ページで頒布している専用プリント基板を用いて製作する方法を紹介します。
  1. MOS FETの取付け
    Q2~9を取りつけます。
    部品の向きがあります。丸印や凹印を頼りにして取付します。半田ブリッジや接触不良に注意します。
  2. 抵抗の取付け
    1/6Wの抵抗のカラーコードは読みづらいので、テスターで抵抗値を確認するのが確実です。
    部品の向きはありません。纏めて実装しやすい箇所は枠で囲ってみました。
    枠外の左側の抵抗は回路図や部品表を良く確認して取付てください。

  3. ダイオード、LED、積層セラミックコンデンサの取付け
    ダイオードとLEDは部品の向きがあります。注意してください。
    tが黄LED、cが緑LEDになっていますが、お好みやレイアウトに応じて、反対にしてもかまいません
  4. 電解コンデンサ(小)、FET、3端子レギュレータの取付け
    すべて部品には向きがあります。注意してください。
  5. ターミナルブロック、ICソケットの取付け
    ターミナルブロックは向きがあります。電線挿入口が基板外側になるようにしてください。
    また、ポイントマシン側の端子はあらかじめ連結したうえでハンダ付けします。
    後からでは連結は困難です。
    写真は丸ピンソケットですが平ピンソケットで十分です、向きに注意して取付します。
  6. コイル、抵抗(大)、電解コンデンサ(大)の取付け、PICマイコンの挿入
    コイル、抵抗(大)は向きはありません。抵抗(大)は足を180度曲げて実装します。
    電解コンデンサ(大)は部品の向きがあります。+-を間違えないようにしてください。
    PICマイコンは足を少し曲げてからソケットに挿入するとやりやすいです。向きにも注意してください。
    酸化金属皮膜抵抗や電解コンデンサ(大)は大きく重量もあるのでハンダを十分に流すとともに、温度が下がって固まるまで部品を動かさないようにします。
    (PIC書込み用のピンヘッダは必要な場合にのみ取付します。)

サンプルソフト

 「ポイント用アクセサリデコーダ(FPM Decoder4)」のサンプルソフトです。
 頒布品のマイコンはソフト書込み済ですので書込み操作は不要です。
 通常はHEXファイルをPickit2等でPICマイコンに書き込んでください。書込み方法はこのページを参考にしてください。
 参考までに、ソースファイルも置いておきます。動作方式の解析、改良等に活用ください。MPLABでアセンブルしてください。
 動作しない場合の調整方法はソースファイル内に記述いたしますが、自己責任でのご利用をお願いします。当方でのサポートも致しかねます。
 すべてのDCC環境で、動作保証するものではありません。
 なお、著作権は主張します。改良版を作成される方は出典を表示のうえ、公開してください。その際、ご連絡をいたければ、リンクを張らせていただきます。
 (無断転載は禁止します。また、商業目的の利用も禁止とします。)
 尚、ファイルは右クリックし対象を保存を選択して下さい。そのままクリックして保存すると拡張子がtxtになる場合があります。

 (最新版Ver1.0) HEXファイルはこちら 2022.1.10更新
 (最新版Ver1.0) ASMソースファイルはこちら 2022.1.10更新

 (DCC信号の0/1判定部はしみずさんのページのDCCデコーダを参考にしています。)

調整手順

 ポイントマシン、PICマイコンを外した状態で、DCC信号を入力し、LED1(赤)が点灯すること、各部の電圧が正しいか確認します。マイコンの電源ピン(1-14pin間)に5Vが出ているかを確認します。
 一度DCC信号を切り、プログラムを書き込んだPICマイコンを準備しソケットに挿入してから動作確認をします。
 動作確認の手順としてはDCC信号を正常に読み込めているかの検証を行います。線路電源をONにした直後はLED2~4(緑、黄)は消灯しています。切替操作が行われると操作方向のLEDが点灯します。
 初期状態ではアドレス001(回路A),アドレス002(回路B)が登録されているので、コマンドステーションからアドレス1や2で「t」「c」と制御してみます。LEDが切り替わればDCC信号の読み取りとLED制御は成功です。
 その後、ポイントマシンを接続して、転換操作をしてみます。

アクセサリアドレス設定方法

 このデコーダのアクセサリアドレスは初期設定値として「回路Aは1」、「回路Bは2」に設定されています。
 アドレスを変更する場合は、「CV書込み」により設定します。
アドレス設定方法(CV書込みよる方法)
 コマンドステーションからCV書込みを行い、目的のアドレスを設定する方法です。
  アクセサリのアドレスや動作時間の設定、モードの設定はCV書込みで変更します。CVの書込みはPagedモード、Directモードに対応しています。

 回路AのアドレスはCV1とCV2、回路BのアドレスはCV5とCV6、回路CのアドレスはCV10とCV11、回路DのアドレスはCV12とCV13、で設定します。
 設定したいアドレスとCVの若番(CV1等)と老番(CV2等)の関係はコチラのファイル(pdf)を参照してください。

 例えば、アドレス61を回路Aに設定したい場合は、CV1=144、CV2=248を書込みます。

 CV説明 (CV1~9は前Ver(FPM3)と共通です。)
CV番号 説明 初期値 詳細
10進 16進 バイナリ
CV1 回路Aアドレス(上位バイト) 129 81 10000001  回路A アドレス設定用
 初期アドレス:1
CV2 回路Aアドレス(下位バイト) 248 F8 11111000
CV3 出力作動時間 125 7D 01111101  初期値125  125x1ms=125m秒
 設定値x1m秒の間、ポイントマシンに電圧を出力します
 設定範囲 0~255 (0~255m秒)
CV4 未使用 0 00 00000000  未使用
CV5 回路Bアドレス(上位バイト) 129 81 10000001  回路B アドレス設定用
 初期アドレス:2
CV6 回路Bアドレス(下位バイト) 250 FA 11111010
CV7 デコーダソフトバージョン 010 0A 00001010  デコーダのソフトVerを示します。
 例:10(010進)->VER1.0
CV8 製造会社ID 156 9C 10011100  製造会社IDは156。(Manufacturer IDを取得しました。)
 CV8に8を書き込むとCVをRESETします
CV9 昇圧目標電圧 200 C8 11001000  初期値200 200×0.1=20.0V
 設定範囲 0~240(入力電圧~24.0V)

 ※(使用ACアダプタ電圧値-2V)*2倍の電圧以下

 24.1V以上の設定、241~255は設定禁止。
 特に255は昇圧制御に不具合を起こすので設定厳禁。
CV10 回路Cアドレス(上位バイト) 129 81 10000001  回路C アドレス設定用
 初期アドレス:3
CV11 回路Cアドレス(下位バイト) 252 FC 11111100
CV12 回路Dアドレス(上位バイト) 129 81 10000001  回路D アドレス設定用
 初期アドレス:4
CV13 回路Dアドレス(下位バイト) 254 FE 11111110

昇圧機能と目標電圧の設定について(重要)

 このデコーダは昇圧機能を内蔵していますが、適切に使用しないと発熱、焼損といったリスクがありますので、注意してください。
 なお、通常の使用でも3W抵抗は少々熱くなります。

 昇圧チョッパの制御回路は目標電圧に満たないときに電圧を上げようと制御しますが、電気的な限界を超える電圧は発生できないため、結果、大きい電流を消費し続け、抵抗の発熱が非常に大きくなります。
 また、目標電圧に満たないと、転換命令を受信してもチャージ完了まで動作を待つので、あまり高い電圧を設定すると、いつまでも動作できない状態に陥ります。

 このため、(使用ACアダプタ電圧 - 2V ) * 2倍 よりも高い値に設定しないでください。
  例 12Vアダプタ使用時 (12V-2V)*2=20V なので、CV9 200(20.0V)以下に設定
    15Vアダプタ使用時 (15V-2V)*2=26V ですが、CV9の最高値である 240(24.0V)以下に設定

  尚、CV9 200(20.0V)に設定したとき、チャージに要する時間は、12Vアダプタで約3秒、15Vアダプタで約1秒です。

 手持ちのKATO WX310(両渡り)では18V程度で転換可能であり、20Vで概ね安定的に動作しました。不必要に設定電圧を上げると抵抗の発熱が大きくなりますので、控えめに設定し、ポイントの動作の様子を見ながら設定してみてください。

ケーブル類の接続  

 DCC信号の入力と、ポイントマシンの接続は以下のように行います。
ポイントマシンの開通方向を逆転するには2本の電線を入替えます。
 被服の剥き過ぎヒゲによるショートに十分に注意します。PIC書き込み用端子に触れるとマイコンが壊れます。

トラブル解決(調整方法ほか)  

 どうしても、DCC信号の読み込みがうまくいかないようなら、プログラムのソースファイルにある、読み込みタイミングの調整値を変更し、HEXファイルを作成しPICに書き込んでみてください。フィダー線を反対にすると読み込めるときや、ときどき読み込める等の場合は微妙なタイミングのずれが発生していることが影響しています。初期値は16進数で38です。ソースでは0x38と表記しています。これを0x39とか0x37等にしてみて試してください。大抵は初期値のままでOKのはずです。

 トラブル解決の進め方、掲示板に寄せられるFAQ等をPdfにまとめています。参考にしてください。
  WebNucky部品頒布(トラブル解決編)(pdf)はこちら

最後に...

 安定的に転換動作するための昇圧機能を内蔵したデコーダが2回路から4回路になりました。自分でハンダ付けすることで案外簡単にポイント用デコーダができると思いませんか?
 半田付け不良さえしなければ完成しますので、時間をかけて丁寧に作りましょう。
 自分で作ったDCCデコーダで運転を思い存分に楽しみましょう!
 ポイント用デコーダがうまくできたら、車載用「ワンコインデコーダ6」にもチャレンジしてみてください。
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