プリント基板の発注(FusionPCB)

 趣味で使うプリント基板を発注するときに気になるのはやはり値段。中国の深セン市にあるSeeedStudioという会社の「FusionPCB」サービスをご紹介します。
どのぐらい激安かというと、5cm×5cmまでの2層基板10枚を$9.9で作ってくれます。送料は別ですがそれでも安いと思います。
 簡単な英語を理解する必要はありますが、英作文を必要とすることはありませんでした。国際郵便は不着や遅延などがある場合があり国内業者よりは不安な面がありますが、そんな不安を跳ね飛ばす金額が魅力です。
 FusionPCBへの発注方法について、自分への備忘録も兼ねてページを公開します。

SeeedStudioホームページはこちらです。
http://www.seeedstudio.com/service/index.php?r=pcb
FusionPCBを選択します。


発注前にプリント基板データについて確認をします。
まず、 Order Submission Guidelineをクリックします。


発注用の際に必要となるガーバーファイルの説明を読みます。
また、EAGLE用のデザインルールとCAMプロセッサファイルをダウンロードします。
どちらも圧縮ファイル(ZIPファイル、TARファイル)になっているので、適宜保存して、解凍します。


EAGLEでエラーがないことを確認します。
デザインルールチェックを行います。「DRC」を選択。


「Load」を選択し、


FusionPCB用のファイルを指定して読み込みます。


「Check」をクリックして、


「DRC: No errors.」と表示されることを確認します。
エラーがあると発注しても製作できないので、エラーが無くなるまでアートワークをやり直します。


次にガーバーデータの出力を行います。
ダウンロードしたCAMファイルをCAMJobsのなかに保存(ドラッグ&ドロップ)します。
「Seeed_Gerver_Generater_2_layer.cam」をダブルクリックします。


EAGLEの基板ファイルを開きます。


EAGLEの基板データを選択します。


設定設定は特に変更せず、「Process Job」をクリックします。


CAMプロセッサーを閉じます。


Projectフォルダのなかに、ガーバーファイルが出力されている状態になります。


必要なガーバーデータをフォルダにコピーしてZIPファイルでまとめます。
まとめたいファイルを選択して右クリックし、「送る」「圧縮(zip形式)フォルダー」と選択して作成します。


ZIPファイルができました。これをFusionPCBのページに読み込ませます。


ガーバーデータを登録する前に、初めての場合はアカウントを作成しておきます。
アカウントを持っている場合はログインしておきます。


個人情報を入力して進みます。


ZIPでまとめたガーバーファイルを登録します。


ファイルの選択画面でファイルを選び、


読み込ませると、色が緑色縞模様に変わります。
サイズを自動的に認識して、値段に反映します。

アレ?! $21.9って。。。高い。。。
$9.9で製作できるようにワザワザ5cm x 5cmに部品を詰め込んだのに。。。


ということで、小数点のまるめの問題で10cm x 10cmと認識しているみたいなので、無理やり手動で「5cm x 5cm」を選択しなおして、$9.9にしてみた。
Detected 5cm x 5cmって、認識しているなら大丈夫だろう。。。。
このまま購入を進めてみる。


注文画面にある「Gerber Viewer」を開くと、以下のようにガーバーデータの確認確認ができる。

完成イメージがつかめるし、簡単な確認なら十分なレベルだ。
ただし発注前にガーバーデータの確認をするのであれば、gerbv等の利用をお勧めします。


枚数や、厚さ等の諸条件と、金額を確認したら、カートに追加する。


今回は2種類の基板を同時に発注することにした。


ユーザ登録しておくと、発送先の住所等が表示されるので、確認する。
(英語表記の住所や国際電話番号等)
AIR MAILチックな青赤の囲みが面白い。OKなら「Continue Checkout」を選択する。


郵送方法(業者)を選択する。今回はEMSを選択した。急がないのであればAirPercilが最安値である。
方法選択後「Continue Checkout」を選択する。


支払い方法の選択。Paypalとクレジットカードが使える。(ただしJCBは使えないので注意。)
選択後「Continue Checkout」を選択する。


最終確認画面が表示される。注文内容をよく確認して、


注文をする。


クレジット決済画面に遷移するので、金額を確認し、必要事項を入力して決済「Checkout」する。


どれくらいで届くかの案内画面がでれば、注文完了!

無理やり 5cm x 5cm にしたけど、注文できてしまった。さて、どうなることか。。。

以下は注文の時系列です。
2015/03/01 17:10 注文
2015/03/01 18:36 Order Update メール受信 status:PCB Processing.
2015/03/06 11:22 Order Update メール受信 status:Processing
2015/03/09 23:00 Web画面で確認 status:Traceable
 以下、日本郵便のサイトでトラッキングしました。

2015/03/12 11:24 無事着荷しました。
2015/03/11 11時に不在票が入っていましたので、実質11日間で着荷しました。かなり早いと感じました。
特にHONGKONGでの受取から3日間で日本国内で配達と、さすがEMS。$20程度払った価値があります。日本郵便のWebで追跡できるので安心です。

Webで検索するとEMSでは通常、3~5日で届くようです。20日ぐらいかかるらしい(けど安い)Air Percelでも、EMSと同様に、日本郵便のサイトでトラッキングできるようです。ただ早いときはEMS同様3日間で届くこともあるみたいですが、スイスとかかなり遠回りして1ヶ月くらいかかって届くこともあるようです。特段、急ぐ必要がないなら格安やAirPercelを選んでもよさそうです。

EMSは以下のような袋で届きました。


中身はさらにダンボールで梱包されています。箱の潰れなどはありませんでした。


今回は2種類の基板を発注しました。なぜかビニールの梱包方法が異なります。同じ2層基板でも製造ラインが別なのでしょうか。



左はポイントデコーダ(FPM2)、右はLocobufferUSB用になります。
Webでの評価ではシルクがかすれる等の報告がありますが、気にならないレベルです。
なにより値段を考えたら、まずまずの品質だと思います。

総じての感想ですが、牛丼屋ではないですが、早い、安い、良いの3拍子といった感じです。
英語のページでの発注や、海外からの郵便物等に不安の無い方には良いサービスだと思います。

inserted by FC2 system