Loconetアダプタ(USB版)

自作で作ったLoconetアダプタ(USB版)を紹介します。


 注意:当方ではWindowsXPで動作検証を行っております。(Vistaでの動作実績は未確認です。)

 Windows VISTA 上で LoconetTEST を動作させ、Loconetアダプタが機能をする確認をしました。(2009.7.16)

 新規製作はLocoBufferUSBを推奨します。(2015.4.4)


 はじめに...

 DCCシステムを楽しんでいると、PC等から自動制御してみたいと思いました。

 DigitraxではMS-100というLoconetインタフェースをRS232Cに変換するアダプタがありますが、高価な上に、いまどきRS232Cということで、導入に踏み切れませんでした。

 そこで、Loconetを直接USBに変換できないか、調査を始めました。

 すると多くの方がLoconetをPCに接続するためのアダプタの製作に取り組まれていることを知りました。
 


 概要

 Loconet規格のコマンドを送受信し、USBを経由し仮想COMポートと通信するアダプタです。後述するCbitさんのページを大いに参考にしました。この場をお借りして御礼申し上げます。

 心臓部には秋月電子の組み立て済みの「FT232RL USBシリアル変換モジュール」を用い簡単に製作できます。
周辺回路は、基板を製作することなく、ユニバーサル基板で製作できます。 

 特徴は以下のとおりです。

  LoconetインタフェースをUSBインタフェースに直接変換します。

  RS232C(COMポート)の無い最近のPCでも使えます。

  USB-シリアル変換器の相性問題で純正品MS-100が使えないケースがありましたが、直接LoconetをUSBに変換するので相性問題がありません。

  USBコントローラには定番のFT232RLを使用し、Windowsからは仮想COMポートとして制御します。(Windowsにドライバのインストールが必要です。)

  電源はPCからUSBで供給されます。

  電源、受信、送信の状況を各LEDで表示します。

  FT232RLおよびUSBコネクタ周辺は秋月電子の完成モジュールを利用し高い成功率で製作できます。


 製作事例

  6極6芯のローゼットに組み込み、小型に製作しました。ローゼットの中身のプラスチックを半分ぐらい削って実装スペースを確保するのが大変でした。

 緑のLEDはUSBからの電源供給表示、赤のLEDは送信/受信ランプです。



 回路図

  回路図(pdf)はこちら (2009.7.16更新)

 回路図です。BSch3Vで作成しました。

 後述するCbitさんのページを大いに参考にしました。この場をお借りして御礼申し上げます。
 変更点は、Loconetへの接続は黒線/赤線のみで行っており、その他、細かい点の修正、追加をしております。
 (Loconetへの接続を黒線/赤線として動作はしていますが最善なのか自信がありません。技術的にお分かりの方おられましたら、ご教示をお願いいたします。

 Loconetの配線は以下が正しいと判断しています。(2009.7.16)

   黒線 および 黄色 ・・・ GND
   赤線 および 緑  ・・・ Loconet


 部品リスト

 パーツ点数は少ないと思いますので頑張って集めて下さい。

 表中の金額は当方で利用したお店を参考に見積しています。部品の纏め売りで単価が安くなっている部品を私が良く利用するので少量の部品を調達すると割高になる場合があります。まとめ買い欄に「@」印があるものはまとめ買いした際の単価を示しています。

 また、リスト以外に「ハンダとこて等の工具」、「電線」、「ユニバーサル基板」の等の用意が必要です。基板類を買っても2000円でおつりがくると思います。

種類 品名、規格 数量 単価 小計 備考 主な入手先 まとめ買い
USBシリアル変換モジュール AE-UM232R 1 950 950 モジュール 秋月
IC LM393 1 50 50 DIP
同等品可
鈴商  
トランジスタ 2SC1815 1 5 5 同等品可  秋月
LED 3mm赤 2 3.5 7 Tx,Rx表示 秋月
3mm緑 1 4.5 4.5 電源表示 秋月
抵抗器 1/6W 1KΩ 3 1 3   秋月
4.7KΩ 1 1 1 秋月
7.5KΩ 1 1 1 秋月
33KΩ 2 1 2 秋月
47KΩ 1 1 1 秋月
100KΩ 2 1 2 秋月
220KΩ 1 1 1 秋月
ローゼット 6極6芯 1 680 680 2芯は不可、
4芯でも製作可能
千石
    合計 1707.5    

 入手先のお店の情報はリンクのページからたどって見てください。


 使用する部品の一例 

  

 


 作成方法例

 
部品をモジュールに隠れるように配置し、その上にモジュールを設置する。

 
ローゼットの端子台を削って基板を実装。いきなり小さく作らず右のような試作基板を製作してから、
小型化に挑戦したほうが良い。(基板色が変わっているのは実は2作目だからである。)


 調整手順

 Windowsで仮想ポートとして使用するにはドライバをインストールする必要が必要があります。

 ドライバはチップのメーカ(FTDIメーカーサイト)からダウンロードできます。

 インストールの方法等は秋月のモジュールに付属の説明書を参考にしてください。

 動作確認のDCCをパソコンでコントロールするソフトが必要になります。私は以下のソフトを試用してみました。

 
  永末システム研究所http://www.snjpn.com/ngdcc/indexj.htm
      Loconet Test http://www.snjpn.com/ngdcc/misc/loconettestj.htm
 
 2015.02.14追記:Windows7(64bit)ではLoconetTESTは上手く動かなくなってしまったようです。

  KH Train Factory (http://train.khsoft.gr.jp/
      Loco Tools http://train.khsoft.gr.jp/lib/software/locotools/

 これで、パソコンからDCC車両やアクセサリーをコントロールできるようになります。皆さんもぜひ作って見てください。 自分で作ったアダプタで運転を思い存分に楽しみましょう!


 テスト風景


 最後に

 参考にさせていただいたサイトです。この場をお借りして御礼申し上げます。

  桂庵http://www.geocities.jp/katsuraan/
      Loconet規格解説 http://www.geocities.jp/katsuraan/AboutDCC/LocoNet_Personal_Edition_jp.pdf
      Loconet規格の理解に非常に参考になります。

  JMRI(http://jmri.sourceforge.net/
      Keyspan USB Conections http://jmri.sourceforge.net/help/en/html/hardware/loconet/KeyspanUSB.shtml
      Loconet規格の電気的インタフェースの勉強になります。

  Locobuffer(http://www.locobuffer.com/
      Loconet規格の電気的インタフェースの勉強になります。

  Loconet-USBインタフェース(http://www.cbit.jp/LocoUsb.html
      回路を非常に参考にさせていただきました。
      残念ながら掲載の回路図では動作させることができなかったため、当方で再検討を行い回路を変更しています。
      (FT232RLモジュールの20番ピンはオープン、21番ピンが5V出力が正しいと思われます。)
      (Loconetへの接続は黒線、赤線のみで行っています。
      (FT232RLモジュールのジャンパー設定はデフォルトから変更しました。詳細は回路図を参照してください。)
      またUSB電源およびデータの送受信を示すLEDの表示回路を追加しています。


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